【2026年最新】特定活動53号(ノマドビザ)とは?要件・年収・必要書類・申請方法を解説

日本に滞在しながら海外の会社やクライアントの仕事を続けたいデジタルノマドに向けて、2024年に新設されたのが、いわゆる「デジタルノマドビザ」です。

正式には、在留資格「特定活動」のうち特定活動告示第53号に該当します。

特定活動53号を利用すると、一定の条件を満たす外国人が、日本に最長6か月滞在しながら、インターネットなどの情報通信技術を使って海外向けの仕事を行うことができます。一方、年収1,000万円以上という収入要件や民間医療保険への加入など、申請前に確認しておくべき条件もあります。

この記事では、特定活動53号(ノマドビザ)の対象者、取得要件、必要書類、申請方法、家族帯同、在留期間について解説します。

特定活動53号とは?日本の「デジタルノマドビザ」

特定活動53号とは、日本に滞在しながら国際的なリモートワーク等を行う外国人を対象とした在留資格です。

一般的には「日本のデジタルノマドビザ」「ノマドビザ」と呼ばれていますが、正式な在留資格名は「特定活動(告示53号)」です。

対象となる活動として、外務省は、外国法に基づいて設立された法人などとの雇用契約に基づき、情報通信技術を使ってその外国の事業所の業務に従事する活動や、外国にいる相手に対してオンラインで有償のサービス提供・物品販売などを行う活動を挙げています。

つまり、典型的には次のような人が対象になり得ます。

  • 海外企業に雇用され、日本からリモートワークする会社員
  • 海外のクライアントを持つフリーランス
  • オンラインで海外向けサービスを提供する個人事業主
  • 海外事業をオンラインで運営する経営者
  • ITエンジニア、デザイナー、コンサルタントなど、場所を選ばず働ける専門職

ただし、日本の企業などとの雇用契約に基づいて日本国内で就労するための在留資格ではありません。 出入国在留管理庁も、日本の公私の機関との雇用契約等に基づく就労活動は認められないと案内しています。

特定活動53号の主な取得要件

特定活動53号を取得するためには、主に「活動内容」「国籍・地域」「年収」「医療保険」「滞在期間」の条件を満たす必要があります。

1.海外向けのリモートワークを行うこと

特定活動53号の大前提は、日本に滞在しながら情報通信技術を利用して海外向けの仕事をすることです。

海外企業との雇用契約に基づくリモートワークだけでなく、外国にいるクライアントに有償でサービスを提供するフリーランスなども制度の対象となり得ます。

一方、日本企業に就職して働くことを目的とする場合は、特定活動53号ではなく、仕事内容に応じた別の就労系在留資格を検討する必要があります。

2.対象となる国・地域の国籍等を有していること

デジタルノマド制度は、すべての国籍の人が利用できるわけではありません。

対象となる国・地域は出入国在留管理庁が指定しており、外務省も査証案内ページから公式の「対象国・地域一覧」を案内しています。

対象国・地域は制度改正によって変更される可能性があるため、申請時には必ず最新の出入国在留管理庁の一覧を確認しましょう。

こちらが出入国在留管理庁公開、対象国・地域一覧です(こちらをクリック)

3.本人の年収が1,000万円以上であること

特定活動53号で特に重要なのが、年収要件です。

申請時点で、申請人本人の年収が1,000万円以上であることが求められます。

外務省では、年収を証明する書類として、納税証明書、所得証明書、雇用契約書、取引先との契約書などを例示しています。契約書を提出する場合には、契約期間や契約金額などが確認できることが重要です。

夫婦の収入を合算して1,000万円以上になればよいという制度ではなく、デジタルノマド本人について年収条件を満たす必要がある点に注意してください。

4.1,000万円以上の治療費補償がある保険に加入すること

日本滞在中の医療リスクに備えるため、民間の医療保険等への加入も必要です。

具体的には、日本滞在中の死亡・負傷・疾病に対応し、傷害・疾病に対する治療費用の補償額が1,000万円以上となる保険への加入が求められています。

証明資料としては、保険加入証書や約款の写しなどが考えられます。クレジットカード付帯保険を利用する場合は、カードの写しだけでなく、実際の補償内容を証明できる資料も必要になります。滞在予定期間の全日程をカバーされるものである点には注意が必要です。

5.日本での滞在は最長6か月

特定活動53号による在留期間は6か月です。

さらに重要なのが、在留期間の更新ができないという点です。

「まず6か月取得し、その後さらに6か月更新して1年間滞在する」という利用方法はできません。出入国在留管理庁によると、出国後6か月以降であれば、再びこの在留資格で日本に滞在することが可能です。

そのため、1年以上継続して日本を生活拠点にしたい人にとっては、特定活動53号が必ずしも適した在留資格とは限りません。

特定活動53号では在留カードは発行される?

特定活動53号については、在留カードの交付対象外とされています。

通常の就労ビザや留学などで日本に中長期間在留するケースとは制度上の扱いが異なるため、銀行、住宅契約、携帯電話など日本での生活に必要な各種サービスを利用する際には、事前に各事業者の本人確認要件を確認しておくことをおすすめします。

「6か月滞在できるから、通常の中長期在留者とまったく同じ手続きができる」と考えないことが重要です。

特定活動53号の必要書類

在外公館でデジタルノマドとして査証申請する場合、外務省は主な必要書類として、査証申請書、旅券、滞在中の活動予定・滞在期間を説明する資料、年収1,000万円以上を証明する書類、所定の補償額を満たす保険加入証明などを案内しています。

また、在留資格認定証明書(COE)を提示する方法もあります。

外務省によれば、在留資格認定証明書を提示する場合、査証申請時の活動予定・年収・保険に関する一部資料を省略できます。また、COEを所持している場合は、在外公館で標準処理期間内に査証発給を受けやすくなるとされています。ただし、COEがあるからといって査証発給が保証されるわけではありません。

実際に必要となる資料は、申請する国・地域や個別の事情によって確認が必要な場合があるため、申請予定の日本大使館・総領事館等の案内も確認しましょう。

特定活動53号の申請方法

申請を検討するときは、まず自分が制度の対象者であるかを確認することが重要です。

特に、対象国・地域に該当するか、仕事内容が海外向けリモートワークに該当するか、本人年収が1,000万円以上あるか、必要な医療保険を用意できるかを確認しましょう。

そのうえで必要書類を準備し、在留資格認定証明書を取得してから査証申請をする方法、または必要資料をそろえて在外公館で査証申請をする方法を検討します。

申請書類の内容に矛盾がある場合や、仕事の内容・報酬の発生先が不明確な場合には審査上の確認が必要になる可能性があります。雇用契約書や業務委託契約書などを用いて、「誰のために、どのような業務を、どのようにオンラインで行うのか」を説明できるよう準備しておくとよいでしょう。

配偶者や子どもも一緒に日本へ来られる?

特定活動53号のデジタルノマド本人が扶養する配偶者や子どもについても、一定の条件を満たせば帯同できます。

ただし、家族は本人と同じ53号ではなく、原則として特定活動告示第54号の対象となります。

外務省によると、配偶者・子についても日本滞在中の死亡・負傷・疾病に対応する保険が必要であり、傷害・疾病の治療費用について1,000万円以上の補償が求められます。本人の保険で家族まで補償される場合には、その補償範囲を確認できる資料を提出します。

また、婚姻証明書や出生証明書など、デジタルノマド本人との身分関係を証明する書類も必要になります。

特定活動53号のメリット

特定活動53号の大きなメリットは、海外での仕事を継続しながら、日本に比較的長期間滞在できることです。

従来、「日本で暮らす体験をしながら海外の仕事を続けたい」というリモートワーカーにとって、活動内容に合った在留制度を選ぶことが難しいケースがありました。

特定活動53号が設けられたことで、制度上の条件を満たすデジタルノマドについては、最長6か月という明確な滞在枠の中で国際的なリモートワークを行えるようになりました。

東京や大阪などの都市部だけでなく、地方に滞在しながらリモートワークをするといった働き方を検討できる点も、デジタルノマドにとって魅力といえるでしょう。

特定活動53号の注意点

便利な制度である一方、特定活動53号には通常の就労系在留資格とは異なる制限があります。

特に注意したいのが、6か月を超えてそのまま更新することができないこと、日本企業との雇用契約等に基づく就労を目的とした制度ではないこと、在留カードの交付対象外であることです。

「将来的に日本企業へ転職したい」「日本で会社に就職して長期間暮らしたい」といった目的がある場合は、特定活動53号ではなく、技術・人文知識・国際業務や経営・管理など、実際の活動内容に対応した別の在留資格を検討する必要があります。

2026年に申請する場合は入国前の最新手続きにも注意

日本では入国前結核スクリーニング(JPETS)が順次導入されています。

制度上、対象国籍を有する特定活動53号・54号の申請者も対象者として規定されているため、該当する可能性がある場合には、申請時点の対象国や実施状況を確認することが大切です。

入管・査証制度だけでなく、こうした入国前手続きも変更される可能性があります。数年前の記事だけを参考にせず、申請直前に出入国在留管理庁、外務省、厚生労働省などの最新情報を確認しましょう。

特定活動53号に関するよくある質問

Q. 特定活動53号では何か月日本に滞在できますか?

最長6か月です。 在留期間の更新は認められていません。出入国在留管理庁によると、出国後6か月以降であれば再び同在留資格で日本に滞在することが可能です。

Q. 年収はいくら必要ですか?

申請人本人の年収が1,000万円以上である必要があります。

Q. フリーランスでも申請できますか?

外国にいるクライアントに対し、情報通信技術を利用して有償でサービスを提供する活動なども制度上想定されています。そのため、雇用されている会社員だけでなく、活動内容などの要件を満たすフリーランスも対象となり得ます。

Q. 日本企業で働くことはできますか?

特定活動53号は、日本の企業等との雇用契約に基づいて働くための在留資格ではありません。日本企業への就職を予定している場合には、仕事内容に応じた別の就労系在留資格を検討する必要があります。

Q. 家族を日本に連れて行くことはできますか?

扶養等条件を満たす配偶者・子は特定活動54号で帯同できる可能性があります。家族についても保険の補償範囲や身分関係を証明する書類などが必要です。

Q. 民間保険はクレジットカードに付帯されているものでもOKですか?

補償内容を担保できる場合は当該補償内容等を証明する資料等(加入証書・約款の写し)を提出できます。傷害、疾病への治療費用補償額は1,000万円以上が必要です。

Q. 6か月経ったら延長できますか?

延長・更新はできません。ただし、出国後6か月以降であれば、再び同在留資格の特定活動53号による滞在が可能です。

まとめ|特定活動53号は海外向けに働くデジタルノマドのための在留資格

特定活動53号、いわゆる日本のデジタルノマドビザは、日本に最長6か月滞在しながら、海外企業や海外クライアント向けの仕事をリモートで続けたい人のための制度です。

特に重要なのは、本人年収1,000万円以上、所定の医療保険への加入、対象国・地域の国籍等であること、仕事が海外向けのリモートワークであることです。また、在留期間は6か月で更新できず、在留カードも交付されません。

一見すると条件がシンプルに見える制度ですが、フリーランスや経営者の場合は、契約関係や収入の証明方法、実際の活動内容をどのように説明するかが重要になります。

特定活動53号の申請を検討している場合は、自分の国籍、仕事内容、収入、保険の内容を整理したうえで、申請時点の出入国在留管理庁・外務省の最新情報を確認して準備を進めましょう。

下記の通り保養ロングステイビザ(特定活動告示40号)とデジタルノマドビザ(特定活動告示53号)の違いを表にまとめておりますのでよろしければご確認ください。

特定活動40号と特定活動53号の比較表

こちらが比較表となります。保有資産情況や年収等の状況によって異なりますのでご確認ください。

比較項目特定活動40号特定活動53号
一般的な呼び方、制度及び目的観光・保養を目的とするロングステイ、富裕層向け長期滞在制度。
日本で長期間、観光・保養その他これらに類似する活動を行うためのもの
デジタルノマドビザ。
日本に滞在しながら、国際的なリモートワーク等を行うためのもの
想定される利用者十分な金融資産を持ち、日本で長期観光・保養をしたい人海外企業勤務のリモートワーカー、海外顧客を持つフリーランス、海外向け事業を行う経営者など
日本での主な活動観光、保養等海外企業・海外顧客等に対するリモートワーク
日本企業での勤務・業務委託・請負原則として制度の活動目的外。日本での就労を目的とする制度ではない不可。日本の公私の機関との雇用契約等に基づく就労、請負契約等による就労は認められない
年収、資産・預貯金要件原則3,000万円以上の預貯金申請人本人の年収1,000万円以上
配偶者・子どもの帯同配偶者:可能(特定活動41号)
子ども:不可
配偶者:可能(特定活動54号)
子ども:可能(特定活動54号)
※扶養を受ける配偶者・子
配偶者との資産合算可能年収要件について夫婦合算する制度ではなく、53号本人が年収1,000万円以上を満たす必要がある
国籍・地域要件原則として、日本の査証免除対象となっている国・地域の国籍者等査証免除対象かつ租税条約締結国・地域等として指定された対象国・地域の国籍者等
在留期間6か月(更新により最長1年)6か月(更新は不可)
更新することはできないが、日本出国後6か月が経過すれば、再び53号で入国可能
在留カード原則として交付対象となる中長期在留制度交付されない
民間医療保険の対象期間と補償内容日本での滞在予定期間の死亡・負傷・疾病カバーするを保険が必須日本での滞在予定期間の死亡・負傷・疾病カバーするを保険が必須
治療費補償の最低額公的案内上、53号のような「治療費1,000万円以上」という具体的最低額は示されていない傷害・疾病に対する治療費用補償額1,000万円以上
国民健康保険加入不可加入不可

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ご覧頂きありがとうございました。

行政書士ひろい国際事務所では、特定活動53号(ノマドビザ)の申請サポートも行っています。
デジタルノマドビザの申請をお考えの方は、ぜひご相談ください。

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行政書士ひろい国際事務所代表の廣井と申します。
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